電話代行の料金相場はどれくらい?
電話代行サービスに興味を持ったとき、最初に気になるのは「料金がいくらかかるのか?」という点でしょう。
しかし、単に“安い”“高い”で判断するのは危険です。
まずは、一般的な料金相場から見てみましょう。
月額料金の目安
プラン内容 | 月額相場 | 備考 |
---|---|---|
最小プラン(転送受電のみ) | 3,000〜5,000円 | 着信通知のみ、対応は含まず |
基本プラン(1日数件) | 8,000〜15,000円 | 一次応対と報告まで |
通話件数多め(1日10件以上) | 20,000〜40,000円 | 業種・応対時間により変動 |
専用オペレーター付き | 50,000円以上 | スクリプト完全カスタマイズ型 |
このように、用途や業務の複雑さによって料金は大きく異なります。
従量課金型の目安
「基本料+通話1件あたり〇〇円」のような従量課金モデルの場合、以下のような料金設計が多いです。
- 基本料:3,000〜10,000円
- 通話1件あたり:100〜400円
一見リーズナブルに見えるかもしれませんが、月末に予想外の請求が来るケースもあるため、使い方に注意が必要です。
月額固定?従量課金?プラン別のメリット・デメリット
電話代行の料金プランには大きく分けて「月額固定型」と「従量課金型」の2種類があり、
それぞれの特徴を理解して選ぶことが重要です。
月額固定プランの特徴
メリット | デメリット |
---|---|
月額が安定しており予算管理しやすい | 問い合わせが少なくても固定費が発生する |
一定範囲内の応対件数なら割安 | 件数超過時に追加料金が発生するケースあり |
コストの見通しが立てやすい | 繁忙期・閑散期での調整が効かないことも |
例えば、毎月コンスタントに5〜10件程度の電話が来ることがわかっている場合は、
固定プランの方が安定運用できます。
従量課金プランの特徴
メリット | デメリット |
---|---|
使った分だけ支払い=無駄がない | 応答件数が急増すると割高になる |
繁忙期/閑散期に応じて費用調整可能 | 通話1件の単価が高めに設定されていることもある |
利用しない月はコストを抑えられる | 月末の請求額が読みにくく、予算管理が難しい |
特に「月によって電話件数にばらつきがある業種」「1件も来ない月がある」といった場合は、従量課金型の方が合理的です。
「安すぎるサービス」に潜む3つのリスク
市場には月額数千円で利用できる格安プランも存在しますが、
料金だけを見て飛びつくのは非常に危険です。
ここでは、安すぎる電話代行サービスにありがちなリスクを3つ紹介します。
1. 応対品質が著しく低い
- マニュアルが画一的で柔軟な対応ができない
- 日本語が不自然、敬語が使えないオペレーターも存在
- 要望通りの報告が届かない、時間が遅い
これでは、代行どころか“企業イメージを下げる存在”になってしまいます。
2. セキュリティが甘い・情報漏洩リスク
- 通話録音や保管体制が未整備
- 顧客情報の取り扱いに関するルールが不明確
- スタッフの身元管理や研修体制が不十分
個人情報を扱うサービスである以上、セキュリティ体制の甘さは命取りになります。
3. サポートがない/トラブル時に連絡が取れない
- 契約後は一切のフォローがない
- スクリプト修正に時間がかかる、対応してくれない
- トラブル発生時に問い合わせ先が不明
「安かろう悪かろう」では、逆に損失が膨らむ結果になることも。
初期費用・オプション費用・報告形式の違いに注意
電話代行サービスの契約を検討する際、月額費用や通話単価だけでなく、初期費用・各種オプション・報告の受け取り方も含めた総コストを把握することが重要です。
初期費用とは何か?
初期費用とは、サービス開始前に一度だけ発生する費用のことで、以下のような作業が含まれます。
- スクリプト(応対台本)の設計・構築
- オペレーターへの教育・引き継ぎ
- 電話回線や受電環境の整備
一般的には5,000〜30,000円前後が相場ですが、
「無料キャンペーン中」として初期費用を免除している業者もあります。
ただし、無料であってもスクリプトの柔軟性や教育体制に問題がある業者も存在するため、内容には注意しましょう。
オプション費用の代表例
オプション | 内容 | 相場 |
---|---|---|
メール報告 | 通話内容を要約し、メールで即時送信 | 無料〜月額1,000円程度 |
SMS通知 | 通話発生をスマホに通知 | 月額500円〜 |
専用番号の発行 | 自社専用の電話番号を発行・転送先指定 | 月額1,000〜2,000円 |
通話録音の共有 | 応対内容を録音し、聞き返し可能に | 月額1,000〜5,000円 |
クレーム一次対応 | 難しい対応内容を特別スクリプトで対応 | 月額3,000円〜 |
これらのオプション料金は見落とされがちですが、実は“快適な運用”の鍵になることが多いです。
報告形式の違いにも注目
応対内容の報告は、以下の形式が一般的です。
- メール(要約/全文)
- 専用ポータル(ログインして確認)
- チャット(SlackやLINEなどに通知)
- 電話(即時折返しが必要な場合)
「リアルタイムで報告がほしい」「毎日まとめて確認したい」など、自社の業務フローと合った報告形式が選べるかを確認しておきましょう。
料金に含まれている「対応レベル」を見極める方法
電話代行サービスの“金額の差”は、そのまま“対応レベルの差”であることが少なくありません。
ここでは、価格に何が含まれているかを判断するためのチェックポイントを紹介します。
1. スクリプトの柔軟性
- 汎用的なマニュアルのみ → 低価格帯に多い
- 自社業務に合わせたスクリプト構築 → 中〜高価格帯で対応
カスタマイズ性があるかどうかで、対応精度は大きく異なります。
2. 応対範囲(一次受電だけ?転送や折返しも?)
- 受電して名前と用件だけを聞いて終わる
- 内容によって折返し先を振り分けてくれる
- 急ぎの要件は即時連絡、それ以外は翌営業日報告
このように「対応力」に差がある場合、結果的に“手戻りが多くて効率が下がる”ことも。
3. オペレーターの対応品質
これは最も見えづらい部分ですが、以下のような点で比較できます。
比較項目 | 内容 |
---|---|
対応の丁寧さ | 敬語/お詫び表現などが自然か |
ヒアリング力 | 必要情報を適切に引き出せるか |
判断力 | イレギュラー時の臨機応変な対応 |
実際の応対を試せる無料トライアルや録音確認機能を活用することが、最大の見極めポイントとなります。
自社にとって“最適コスト”の見つけ方
「高ければ安心」「安ければ損」──そんな単純な図式では、電話代行サービスは選べません。
ここでは、自社にとって本当にコスパの良い“最適コスト”をどう見つけるかを、3つの視点から解説します。
1. 電話の「質」と「量」を把握する
- 1日の電話件数(平日・週末・繁忙期ごとの変動)
- 問い合わせ内容の種類(新規客/既存客/営業電話)
- 折返しが必要な件数と即時性の要否
これらを事前に整理することで、「何件までなら月額いくらで済むか」が見えてくるため、
無駄なプラン選びを避けられます。
2. 担当者の工数削減効果を金額換算してみる
例えば、1件あたり5分かかっていた電話応対が1日5件あったとしましょう。
- 5分 × 5件 = 25分/日
- 月20営業日換算で 500分=約8時間強
これが月額10,000円で代行できるなら、時給換算で約1,200円未満です。
事務担当者の1時間あたりの人件費と比較しても、十分ペイする計算になります。
3. 「品質を落とさずにコストを抑える」工夫
- 平日9時〜18時だけ電話代行にする
- 月10件までの応対だけ依頼し、それ以上は転送
- 営業電話など不要な通話は全カット依頼する
こういった工夫を加えることで、月額コストを抑えつつ、必要な品質は保てる運用が可能になります。
見積依頼時にチェックすべき5つのポイント
見積書を取り寄せた際、金額だけを見て比較するのは危険です。
“見積内容の中身”に目を向けて、以下の5点を必ず確認しましょう。
1. 応対件数の上限と、超過時の単価
「月30件まで」のような上限がある場合、超過分がいくらになるのかを必ずチェック。
業者によっては、1件500円以上の超過料金が発生することも。
2. 報告手段とその頻度
- リアルタイム通知は追加費用かかるか?
- 毎日まとめて報告なのか、それとも即時か?
- LINE通知、チャット通知に対応しているか?
報告のタイミングとツールの柔軟性が、自社の業務効率に直結します。
3. 追加費用が発生する条件の明記
- 対応時間外の受電(夜間や休日)
- 特定の業種(医療・法律・IT)は割増の有無
- 折返し希望の案件処理に別途手数料が必要か
トータルコストを見誤らないためにも、「別途」「応相談」の表現には必ず確認を入れましょう。
4. スクリプト修正・共有体制
- スクリプトは自分で編集できるか?
- 定期的な見直し・アップデートの費用は?
- 複数部署への報告分岐などカスタマイズ可能か?
自社の業務変化に対応できる柔軟性があるかを見極めるべきです。
5. 無料トライアル・契約期間の柔軟性
- 1週間程度の無料お試し期間の有無
- 最低契約期間(3ヶ月・半年など)があるか?
- 解約時の違約金・解約手数料の有無
“お試しできるかどうか”は、料金を超えて信頼できるかを判断する材料になります。
利用目的ごとの「費用対効果」比較例
電話代行サービスの「お得さ」は、どんな目的で導入するかによって大きく異なります。
ここでは、よくある3つの利用目的について、費用対効果を比較してみましょう。
1. 新規顧客獲得を目的とする場合
業種例:士業、住宅リフォーム、BtoB営業など
項目 | 内容 |
---|---|
月額費用 | 約10,000〜20,000円 |
対応内容 | 新規問い合わせの受付、初期ヒアリング |
想定効果 | 取りこぼしがちな初回問い合わせに即対応 → 商談につながる |
1件の受注単価が数十万円にのぼる業種では、1件受注できれば十分に元が取れるため、費用対効果は非常に高くなります。
2. 顧客満足度向上を目的とする場合
業種例:医療機関、ECサイト、習い事教室など
項目 | 内容 |
---|---|
月額費用 | 約8,000〜15,000円 |
対応内容 | 予約変更、キャンセル受付、問い合わせ対応 |
想定効果 | 応対漏れによるクレームや不満の削減 → リピート率向上 |
“つながりやすい”というだけで顧客満足度が上がり、信頼や口コミにも直結するため、安定的な顧客基盤の形成に有効です。
3. 社内効率化を目的とする場合
業種例:小規模事務所、個人事業主、ベンチャー企業など
項目 | 内容 |
---|---|
月額費用 | 約5,000〜10,000円 |
対応内容 | 営業電話の遮断、重要案件の振り分け |
想定効果 | 社員が本業に集中できる → 時間の最大活用 |
特に人的リソースが限られる業態では、「電話を取らない時間」を生むだけでも投資価値があるといえます。
「料金が安くて満足」な企業の共通点
単に“安い”だけでなく、“安くて良い”電話代行を使いこなしている企業には、いくつかの共通点があります。
共通点1:目的が明確で、無駄なオプションを使わない
- 「営業電話カット」が目的なら、必要最小限のスクリプトでOK
- 「予約受付」だけに特化すれば、月額数千円で済むことも
何のために電話代行を使うかが明確だから、無駄なコストが発生しないのです。
共通点2:社内で“折返しルール”を徹底している
- 「●●の件なら3時間以内に折返す」
- 「クレーム内容は報告を受けて上長判断」
- 「新規の問い合わせは営業部へ即連携」
このように代行サービスからの報告をどう社内で活かすかをルール化しておくことで、“取りっぱなし”にならず、成果につながります。
共通点3:小さく試して、スケールさせる戦略
- 最初は「午前中だけ」のように時間帯限定で導入
- 徐々に「全日」「多言語対応」「予約管理連携」などに拡張
- スクリプトも回数を重ねてブラッシュアップ
いきなり大規模に導入するのではなく、小さく成功してから徐々に拡大することで、リスクを抑えつつ効果を最大化できます。
まとめ:価格だけでなく“中身と対応力”で選ぼう
電話代行サービスの導入を検討する際、「月額いくらかかるか」という数字はたしかに大切です。
しかし、最終的に重要なのは、
- どれだけ機会損失を防げるか
- 顧客満足度をどこまで向上できるか
- 社内の業務がどれだけスムーズになるか
という「成果につながるかどうか」です。
そしてその成果は、料金だけで判断するのではなく、サービスの“中身と対応力”まで含めて見極めることで初めて得られます。